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スクリーン(網版)印刷は、プラスチックや金属(SUS)の細い糸で織った網目を通じて、粘チョウな液状物質であれば何でも好きなパターンに描く事ができる為、糸の太さと織った網目のサイズを変える事で、描いたパターンの膜厚も変える事ができます。
1どんなインキ(物質)なら印刷できますか?
網目の孔(アナ)からインキや液状物質が押し出されて印刷される事から、孔版印刷とも呼ばれますが、孔から押しだす物質は水のようにサラサラした液体では、網目を通過した後パターンが崩れやすいため、得意では有りません。
しかし若干粘チョウな物質であれば、糊や接着剤、ジャムやシロップ、反応性物質やセラミック粉末を混ぜた粘チョウ液、ペンキや樹液など、何でも印刷できます。 云わばスクリーン印刷ではインキ屋さんで手に入れたインキだけでなく、自分で混ぜた着色小麦粉をクッキーの上に印刷し、オーブンで焼けばオリジナルクッキーができ、2液の反応性を素早く印刷すれば特殊な仕様の耐久性印刷もできます。
2印刷する材料の種類は?
「水と空気以外何でもできます。」は若干誇張ですが、現在利用されている材料には、以下のようなモノがあります。
⑴布地、紙(段ボールも)、木材などの植物面、皮革や合成レザー、ガラスや陶磁器、粘土や石・コンクリート、カベ紙(クロス)やゴム、PP・PEやアクリル板などの各種プラスチック類、アルミ・銅や鉄板などの金属素材、
⑵Tシャツ・ブラウスなどの織物、凹凸あるエンボス面(凹凸が深いと底まではインキがつきません)、ツヤケシやピカピカのツヤ面、若干のカール面(限界が有る為印刷社とご相談)、カバン・バッグやベルト、車のホイールやお椀など、トラックのボディやタンスの側面など。
⑶若干湿った材料、硬いものや柔軟素材、
⑷チョッと工夫がいるモノ
①表面がインキをハジキ易くパターンが崩れやすい材料面、
②インキが付着しにくく、乾燥後に剥がれやすいモノ。
③インキが乾きやすく、スクリーン版に目詰まりしやすいとき。
④乾いてもベタツキが残るインキ、
⑤伸び縮みし易い材料への2色以上の印刷
3スクリーン印刷の良い点は
⑴厚膜印刷が得意なため、鮮やかな色彩や下地の色や光を隠す隠蔽色。
⑵他の印刷に比べてインキの種類が多く、水性や油性(シンナー系)、UV(紫外線)硬化インキなどの他、自分で配合したインキも利用できる。
⑶少量多品種の生産が得意で、版やインキ、印刷材料を途中変更が容易です。
⑷厚膜印刷の利点を生かし、接着剤や粘着剤の印刷も可能です。
⑸インキ配合中の樹脂分濃度や種類の変更が容易で、高耐久性の設計が簡単。
屋外看板やステッカー、機械や電化製品の表示、洗濯性に優れた布地プリントなど各分野での耐久性が発揮できます。
⑹ビニルやレザー、プラスチックやゴム素材を利用した生活雑貨に最適です。
⑺導電性インキやセラミック粉末インキなどを利用し、リモコンスイッチの電子回路やセラミック電子部品にも多用されています。
⑻プリントTシャツや衣服のタグなど、布地の着色に大活躍です。
⑼毎日使うコップや陶磁器の絵柄は、スクリーン印刷の転写技術です。
⑽インキの混ぜる原料を選ぶことで、香りやマイナスイオン、抗菌防カビ、暗がりで光る蓄光印刷、温度で変わる示温インキ・光で変色する印刷など、もうキリがない位に多種多様の機能が発揮できます。
⑾ネイルシールや化粧品容器の美しい仕上げ、自衛隊機の外装文字もスクリーン印刷を利用した技術の一端です。
⑿新しい商品や機能を具体化したいときは、ぜひご相談ください。
4スクリーン印刷の不得意な点は
⑴グラビアやオフセット、凸版、凹版印刷に比べて、インキ膜厚が厚くなりがちです。極薄を狙うときはスクリーン印刷は不可です。
⑵厚膜でインキの乾燥性やコストの点から、紙やフィルムにはグラビアやオフセットに比べて、大量・高速印刷には不向きです。
⑶フルカラー印刷や精密印刷には他の方法がコストや量産性から優れます。